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あなたは、教材を選ぶ時にどうやって選んでいますか?
家庭教師をしていると「おすすめの教材・参考書はありますか?」と聞かれることが多いです。
市販品だけでも数えきれないほどの教材・参考書があるため、書店に行くと同じ学年の同じ教科の本がいくつも並んでいて、どれが1番いい教材なのかわからないという人は多いです。
では、数ある教材の中でどれが1番良い教材なのでしょうか。
実は、「誰に対しても絶対におすすめできる最強の教材・参考書」なんていうものはありません。
どんなに良く作られた教材でも向き不向きがあり、使う人によって最適な教材は変わってきます。
今回は、問題集や参考書などの教材を買う時の選び方について、分かりやすいように具体例(図)も使いながら4つのポイントをご紹介しますので、教材を選ぶ時の参考にしてみてください。
- 何を使って勉強したらいいのか分からない
- 今使っている教材があっているのか不安
- 子どもに教材を買ってあげたのに使ってくれない
こんな悩みを抱えている人はぜひ読んでみてください。
①教材は中身を確認して決めよう
教材選びで1番わかりやすい基準は「中身をパラパラと見て読みやすいか」です。
私は学習塾で講師をしていた時から約10年、教材研究でいろんな教材を見てきましたが、自分で使う教材は必ず中身を確認していました。
自分の目にあった教材を選ぶためです。
情報の受け取りやすい方法は人によって異なります。
例えば同じ写真を見ても、人によって気付ける情報量や覚えられる情報量は違いますよね。
これと同じように、人の情報の受け取りやすさには以下のような違いがあります。
【色の違い】
- カラフルな方が見やすい人
- 色が少ない(大事なところだけ色が使われている)方が見やすい人
【表現方法の違い】
- 言葉(文字)で説明された方がわかりやすい人
- イラストが多用されている方がわかりやすい人
【レイアウトの違い】
- 1ページにいろんな情報が書かれている方が使いやすい人
- 内容ごとにページが分かれている方が使いやすい人
これはどれが優れていて、どれが劣っているということはありません。
使う人にとって、どれが1番あっているかということです。
人それぞれ当てはまるパターンはことなるので、1番確実でわかりやすいのは「使う人が実際に中身を見て判断する」ということになります。
自分にとっては見やすい教材でも、それがハズレだったらどうしよう…。
この選び方では、そんな不安を抱く人もいます。
たしかに、細かい内容や豆知識、裏ワザなどは教材によって異なりますが、どの教材を選んでも最低限の学ぶべき内容は同じなので安心してください。
自分にあっていない教材を使って、勉強自体を辞めてしまうのが1番アウトです!
なので、教材を買うときには必ず中身を見て、「見やすいな」と思うものを買うことをおすすめします。
②「基礎」と「応用」のどちらを勉強したいのか
「応用まで解けるようになりたいから難しい問題集をやろう」
そんな風に考えている人がいたら、ちょっと待ってください。
その教材、本当にあなたに合っていますか?
扱う問題のレベルは、教材を選ぶ上での重要な判断基準の1つです。
「基礎」を重点的に行うのか、「応用」を重点的に行うのか、悩みますよね。
「基礎教材」と「応用教材」をざっくり分けると、
基礎教材:最低限学ぶべき内容が中心・応用問題が少ない
応用教材:基礎どうしを組みわせたり発展させた内容が中心・基礎の解説が少ない
という違いがあります。
これを踏まえた上で、
基礎を学びたい人:ポイントをまとめて解説しつつ、重要な問題を扱う教材
応用を学びたい人:基本的なことは出来る前提で、より幅広い問題を取り扱う教材
を選ぶことをおすすめします。
イメージとしてはこんな感じです。
【基礎教材】
【応用教材】
単純に分ければ、得意教科は応用、苦手教科は基礎を目指すと良いでしょう。
また、本当に苦手な教科に取り組む時や、イマイチ伸び悩んでしまっていると感じる時は「前の学年の基礎」に取り組むことで結果として今よりも伸びる可能性があります。
私自身、高校生になって英語がさっぱりわからなかった時に、中学英語の総復習を行う教材を使うことで高校の英語でも理解が進んだことがありました。
遠回りのように感じるかもしれませんが、伸び悩んだ時ほど前の学習内容に戻って基礎を固めることをおすすめします。
教材選びのキーワード【例:「○日間でわかる」「演習」など】
【基礎的な教材を選ぶキーワード】
※例は適当に考えたものです。
- 「教科書準拠」
- 「書き込み式」
- 「○日間でわかる」(例:10日間で変わる英文法)
- 「○○でもわかる」(例:猿でもわかる高校数学)
などです。
【応用的な教材を選ぶキーワード】
※例は適当に考えたものです。
- 「演習」
- 「ハイスコア」(例:ハイスコア獲得!英文法完全攻略)
- 「難関」(例:偏差値70超え!難関大学受験専門「物理」演習問題100)
- 「実践」
などです。
基礎を学ぶと応用まで伸びる
先ほど、伸び悩んだら基礎をやるという話をしましたが、
「基礎はできるんだけど応用問題が出来なくて…」
「基礎なんかわかっているから難しい問題をやりたいんだ」
こんな風に思ってまず応用に取り組もうと考える人は多いです。
ですが、本当に「基礎」はできていますか?
基礎として出される問題は、基本的な内容が分かっていれば解ける問題が多いので簡単に感じます。しかし、問題で使わなかった部分までもしっかり理解できているでしょうか?
基礎知識は、建物で言えば土台の部分です。
このように基礎がしっかりしていれば、その上の建てた応用もしっかりしますが、基礎が不安定だとどれほど応用力があっても安定しません。
つまり、応用が解けるようになるためには基礎がしっかりしていることが大切なのです。
基礎は簡単な問題と思われがちですが、基礎=「応用を解くためのパーツ」です。
いわゆる応用問題や発展問題は、突然今まで学んだことのない知識が出てくるわけではありません。基礎で学んだことを組み合わせて考え、答えを導きます。
ジグソーパズルのような感じですね。
ピースを集め、凸凹や色の情報を頼りに他のピースと合わせ、1つの大きな絵を作るように、基礎を集め、それに関わる情報を頼りに知識をつなぎ合わせ、応用問題を解くのです。
つまり、基礎が不十分なまま応用問題に取り組むのは、パーツが足りないジグソーパズルをやっているようなものなのです。
どれだけ頑張ってもなかなか解けず、取り組むこと自体が嫌になってしまいますよね。
逆に、基礎をしっかり学んで理解することで、知識のつながりが分かりやすくなり、応用問題でも答えを見つけやすくなります。
急がば回れ。基礎が十分に理解できているか見直してみましょう。
③「暗記」と「理解」と「問題演習」のどれをしたいのか
教材を探しているということは、その教材を使って何かしたいことがあるのだと思います。
教材選びでは、その「何をしたいのか」ということも重要になってきます。
教材を使用する目的は、大きく分けて「暗記」「理解」「問題演習」の3つに分かれます。
用法によって教材は形式が変わってきますので、自分の目的に合ったものを選ぶのが、効率的に成果を出すことに繋がります。
「暗記対策」はくり返しやすい教材を選ぼう
「覚える」ための暗記教材を探している人は、
- いつでも持ち歩けてすぐに始められる
- くり返し使うことが出来る
この2点をクリアしている教材を選ぶことがおすすめです。
暗記を目的とした教材は、単語帳のようにカード形式で持ち歩きやすいものや、赤シートで文字を隠せるものが多いです。
人間の記憶力の性質として、頻繁にくり返すものは忘れにくいというものがあります。
なので、暗記に使う教材は、隙間時間(通学時間とか休み時間とか)にサッと取り出せて何度も勉強できるようなものを選ぶと良いでしょう。
暗記をする際は刺激が多い方が記憶に残りやすくなるので、「目で見る」、「手で書く」、「耳で聞く」、「口で言う」など様々な活動を組み合わせると効果的です。
【参考例】
赤シート利用:英単語ターゲット1900 旺文社
カードタイプ:カード英単語ターゲット1900 Part1・Part2 旺文社
赤シート+ 音: キクタン アルク
「解説」は自分が見やすい参考書を選ぼう
理解をするための教材は、いわゆる「参考書」です。
参考書を選ぶ時には、色合いや文字の量などが自分にあっている(見ていて嫌にならない)ものを選ぶのがおすすめです。
参考書は情報量が多ければ良いというわけではありません。
大切なのは、自分が必要としている情報を得ることが出来ることです。
苦手教科の参考書を開いて、文字の多さだけで嫌になってしまった経験はないでしょうか?
より多くの情報を得ようと思って分厚い参考書を買った結果、1度も開かずに終わってしまった、なんてことになっては本末転倒です。
どんな参考書でも、知らなくてはいけない最低限の内容は載っています。
無理して自分に合わない参考書を使うよりも、自分が使いやすい参考書を使い込んで、必要になったときに初めてより内容の難しいものを使用してはいかがでしょうか。
また、「理解」を目的とした教材は、わからないことがあったらすぐに調べられるように索引や目次などが利用しやすいこともポイントです。
「問題集」は自分にあった難易度の教材を選ぼう
問題演習をするための教材は、いわゆる「問題集」です。
「例題+練習問題」で構成されているその教科をまんべんなく学習する目的のものと、過去問や対策問題などの特定の試験の合格を目的としたものがあります。
日常的な予習復習や定期テスト対策、入試まで時間のある人は「例題+練習問題」の一般的なタイプの問題集で全体的な力を伸ばすことをおすすめします。
絶対やってはいけない選び方
絶対にやめてほしいのが、
「よくわからないから難しいやつをやっておけばOK」
「どうせ出来ないから簡単そうなのをやっておけばOK」
という決め方です。この考え方はとっても危険!
自分に合っていない難易度の問題をずっとやるのは思った以上に苦痛です。
辛いだけではなく、せっかく始めた勉強自体のやる気が無くなる可能性もあります。
目安としては、「解けるけれど時々悩む」ぐらい。
1ページあたりの問題の量も、開いて嫌にならない程度の量を選んだ方が長続きします。
また、応用力をつけるために色んな問題を解こうと問題集を何冊も使う人がいますが、これも危険な使い方です。
次の問題集に行く前に、初見で解けなかった問題を解きなおしているでしょうか?
問題集を何冊も解いても、毎回同じような問題を間違えて「解けなかったな」という気持ちだけが残っていては意味がありません。
問題集は何回もくり返し使い、解けない問題を減らしていくなかで学力は育ちます。
「どの問題が出されても解ける」という状態になってから新しい問題集を使いましょう。
④勉強自体が嫌いな人は?(漫画やyoutubeの勉強チャンネルはアリです!)
勉強が嫌いな人にとって、あのいかにも「勉強しろ」と言いたげな参考書や問題集は見るだけでテンションの下がるアイテムです。
そういう場合、無理に興味の湧かない教材で机に向かう必要はありません。
勉強で大切なのは、何を使うかではなく、何を学ぶかです。
春になるとCMでよく見るような通信教育の会社がいろんな教材を開発するのも、勉強だと意識しないでゲーム感覚で学んでもらう工夫です。
書店で売っているような市販品の中にも、ボーカロイドを使った教材や漫画で解説している教材、擬人化をしたキャラクターが出てくる教材など、面白いものがたくさん販売されています。
【参考例】
・ボカロで覚える中学歴史 学研プラス
⇒シリーズで、中学英単語、中学理科、中学数学もあります。
PV映像付きのボーカロイド曲で重要項目を楽しく覚えられる教材で、オリジナル曲や有名な「千本桜」などの替え歌も収録されています。
・胸キュンで覚える中学英熟語300 小学館
⇒胸キュン漫画で高校入試によく出る英熟語が覚えられる1冊です。東進の大岩先生が監督しているので解説がわかりやすく、赤シートもついているので教材としても楽しいだけではなく、きちんと知識も付きます。
・中学3年間の英語が中2病フレーズなら1週間で学べるなんてわたしは信じない NHK出版
⇒NHKテキスト「基礎英語」で連載されていた話題作!中二病心をくすぐるセリフを面白がっているうちに中学英語を学ぶことが出来ます。日本語音声は声優の悠木碧さんが担当!
・元素周期 萌えて覚える化学の基本 PHP出版
⇒118個の元素をその性質やストーリーを元にすべて擬人化した個性的な1冊です。教科書で取り扱わないようなマイナーな元素まで取り扱っているのと、少し文章が多いので実用性は低いですが、元素の性質を学ぶきっかけや趣味としては面白い本です。
YouTubeで本当に勉強できるの?
近年はYouTubeで様々な動画を投稿する人が増え、勉強を教えてくれるチャンネルもあります。そういうところから勉強を始めるのもアリです。
YouTubeと言っても、塾講師や教員免許所有者、難関大学の卒業生など実力を持った人たちがそれぞれの個性を生かして解説をしてくれるので、面白く、わかりやすく学ぶことが出来ます。
YouTubeの勉強チャンネルにはこんなメリットがあります。
- 無料で好きなだけ見ることができる
- 隙間時間に合わせて視聴できる
- 動きのある内容が理解しやすくなる(例 数学の同点Pの問題など)
- 目と耳の両方で情報を受け取ることが出来る
なんとなくYouTube=遊びというイメージを持っている人もいると思いますが、だからこそ勉強が苦手な人にもおすすめすることができます。
【参考例】
・とある男が授業をしてみた – YouTube
⇒情熱大陸でも紹介された勉強系チャンネルです。塾講師の経験のある葉一(はいち)さんがホワイトボードを使いながらわかりやすく解説してくれます。
・小島よしおのおっぱっぴー小学校
⇒早稲田大学卒の芸人・小島よしおさんが算数の授業を面白おかしくしてくれるチャンネルです。芸人さんなので楽しくネタで笑いながら覚えようという感じですが、解説はわかりやすく、インパクトがあるので記憶にも良く残ります。進学個別の「桜学舎」さん監修です。
【まとめ】本人が「やってみよう」と思える教材が1番良い教材
教材の選び方について4つのポイントを紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
難易度や目的、教材の種類などいろいろお話しましたが、最終的には「使用者のやる気を引き出してくれるもの」が1番良い教材です。
どんなに人気でも、どんなに凄い先生が作っていても、使う本人が使おうと思えなければ良い教材とは言えません。
自分に合った教材をくり返し使うことで、効率的に効果を出すことができます。
勉強は質か量かという議論がありますが、どっちか片方だけという極端な方法で結果を出すのが難しいです。正しい方法で量を行い、その中で質を高めていくのが1番の近道です。
ご紹介したポイントを参考に、自分にとって1番使いやすい教材を探してみてください。
【教材の選び方のポイント4つ】
①自分にとって使いやすいか・見やすいか(中身を確認しよう)
②難易度が自分にあっているか(「基礎」か「応用」か)
③目的にあっているか(「暗記」か「解説」か「問題演習」か)
④YouTubeや漫画などの教材でも興味が持てればOK
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