※この記事は前回の「家庭教師・個別指導塾・集団指導塾の比較表」で掲載した料金や授業、教材、宿題やカリキュラムなどに関する項目(No.1~8)の評価理由について解説したページです。
まだ比較表を見ていない方は是非そちらからお先にどうぞ。
No1. 料金が安い
家庭教師(×):料金は高い、でも質も高い
家庭教師は高いですが、マンツーマン指導なので授業の質は高くなります。
よって料金が安いかどうかの評価は(×)です。
私の調査では家庭教師の相場は以下の通りでした。全て税込みの金額です。
1時間の金額 | オンライン家庭教師(学生) | オンライン家庭教師(プロ) | 自宅派遣型(学生) | 自宅派遣型(プロ) | 個人契約(学生) | 個人契約(プロ) |
---|---|---|---|---|---|---|
小学生 | 2,900~3,700円 | 5,600~8,300円 | 2,500~3,200円 | 4,500~6,500円 | 2,100円 | 2,500円 |
中学受験生 | 3,800~4,300円 | 5,100~7,700円 | 3,600~4,300円 | 5,000~7,400円 | 2,300円 | 2,900円 |
中学生 | 3,200~4,300円 | 5,700~8,900円 | 2,800~3,700円 | 4,800~6,800円 | 2,300円 | 2,800円 |
高校生 | 3,900~4,900円 | 6,200~9,800円 | 3,300~4,300円 | 5,100~7,600円 | 2,600円 | 3,100円 |
月4回の金額 | オンライン家庭教師(学生) | オンライン家庭教師(プロ) | 自宅派遣型 | 個人契約(学生) | 個人契約(プロ) |
---|---|---|---|---|---|
小学生 | 11,600~14,800円 | 22,400~33,200円 | 18,000~26,000円 | 8,400円 | 10,000円 |
中学受験生 | 15,200~17,200円 | 20,400~30,800円 | 20,000~29,600円 | 9,200円 | 11,600円 |
中学生 | 12,800~17,200円 | 22,800~35,600円 | 19,200~27,200円 | 9,200円 | 11,200円 |
高校生 | 15,600~19,600円 | 24,800~39,200円 | 20,400~30,400円 | 10,400円 | 12,400円 |
個別指導塾(○):料金は比較的安く質もそこそこ、コスパ重視派向け
個別指導といっても授業中ずっと1対1ではなく、個別指導塾では基本的に1人の講師で2~3人ほどの生徒を指導します。
塾によっては講師1人に対して生徒4~10人という個別指導塾もあります。
そのため家庭教師に比べ人件費が安く抑えられるので、家庭教師よりは授業料金が安く抑えられます。
しかし集団指導塾よりは人件費はかかります。
よって料金が安いかどうかの評価は(○)です。
家庭教師までは経済的に厳しいけど、なるべく個別指導を受けたいというコスパ重視派におすすめです。
集団指導塾(◎):料金が最も安い、でも個別対応は不可
集団指導塾の場合は、講師1人で10人、20人、30人、あるいはそれ以上の人数を相手に授業を行うため、人件費は結構安く抑えられます。
よって、自ずと授業料金が最も安く抑えられるので評価は(◎)です。
料金が安い分、個別対応はしてもらえません。
生徒の人数が増えれば増えるほど質問もできませんし、授業の質も全体に合わせるため、ついていけない、あるいは授業のスピードが遅いといった状況になる可能性があります。
No2. 高額な教材販売がある
家庭教師(○):高額教材販売が多い
残念ながら多いです。しかし全ての家庭教師業者がそうではありません。
教材を販売していない家庭教師業者もたくさんあります。
よって評価は(○)です。
家庭教師業者が販売する高額教材自体にそれほどの価値はないです。
書店に置いてある教材となんらかわりません。私の経験上、1教科1,500円程度の参考書でも十分です。問題集を買い足すにしても数百円~2,000円程度でだいたい十分です。
ではなぜ高額教材は高いのか?
答えは簡単。会社が儲けるためです。
主には勧誘の電話をかける人の人件費、営業(勧誘)に行く人の人件費、そして会社の利益を確保するために高額になっていくのです。
実は家庭教師業者が教材販売をしているのではなく、教材販売会社が家庭教師を斡旋しているというケースが多いです。
高額教材を売りたいがために、家庭教師の斡旋料(仲介料)を安くしたり無料にしているわけです。
「仲介料無料」と聞くと安い印象がしますよね。それを狙ってるんです。
企業が利益を得るのは当然のことですから私は悪いとは思いませんが、やり方としては誠実さには欠けると思います。
場合によっては犯罪と捉えられてもおかしくない業者もあります。これも企業が生き抜くための知恵?・・・いや、悪知恵?というでもいいましょうか・・・。
100均の教材でも成果を出している家庭教師の事例がこちらです。
個別指導塾(×):教材は塾用テキストで安い場合が多い
基本的にないでしょう。ほとんど聞いたことがありません。
個別指導塾の場合は指導料で利益を確保しているため、わざわざ評判が下がるリスクを負ってまで、高額教材を販売する必要がありません。
よって評価は(×)です。
ちなみに塾の専用のテキストで指導する個別指導塾もありますが常識的な料金の場合が多いので心配はいらないでしょう。
しかし念のため教材を購入しないといけない場合は、契約前にきちんと値段を確認しましょう。
集団指導塾(×):教材は塾用テキストやプリント中心
基本的に教材は塾用テキストやプリントなので高額教材の販売はないでしょう。
個別指導塾と同じく、集団指導塾の場合も指導料で利益を得ているため、評判が下がるリスクをわざわざ負ってまで高額な教材を販売する意味はないんです。
よって評価は(×)です。
中には受験問題などを徹底的に研究して少し高めの教材を用意している塾もありますが、この場合は悪質な高額教材販売業者とは別物と考えるべきです。
どちらにせよ、教材を購入しないといけない時は、契約前にきちんと値段を確認することが大切です。
No3. 1対1で指導してもらえる
家庭教師(◎):完全なマンツーマン授業
家庭側が兄弟姉妹の同時指導などを希望しない限り、授業中は最初から最後までずっと完全に1対1で指導が受けられます。
よって評価は(◎)です。
念のために!
個別指導塾は個別指導とはいっても、授業中ずっと1対1で指導が受けられるわけではありません。
講師がその時間に受け持っている各生徒を順番に回りながら指導していくシステムです。
指導する瞬間は1対1(家庭教師と同じ)なので個別指導といえるわけです。
個別指導塾(△):指導を受ける瞬間だけマンツーマン
個別指導塾の場合は指導を受けるその瞬間は1対1ですが、授業中ずっと1対1ということではありまん。
授業中、講師は一人で複数の生徒を順番に指導していきます。
家庭教師に比べると1対1で指導が受けられる時間が短いんですね。
単純計算で60分授業を1対2で指導してもらうと一人30分ずつ。1対3なら生徒一人わずか20分ずつ。1対4ならたったの15分ずつです。
生徒の数が増えれば増えるほど1対1の時間が短いので、よって評価は(△)です。
1対1の指導を長くやってもらいたいなら家庭教師か、個別指導塾なの中でも一人の講師に対して生徒が二人、つまり1対2のシステムの個別指導塾がおすすめです。
注意!
個別指導塾でも契約内容によっては授業中ずっと1対1で指導をしてもらうことも可能な塾もあります。
その場合料金が高くなることが多いです。
集団指導塾(×):講師1人で大勢を指導
集団指導塾は講師が一人で複数の生徒(集団)に同時に指導するシステムなので、基本的に1対1での指導は受けられません。
よって評価は(×)です。
自習室を設けて質問を受け付ける担当の講師をおいている塾もあり、そういった場合は1対1で指導が受けられますが、あくまでもこれは補助的な役割と捉えるべきです。
No4. 生徒のペースにあわせて授業を進めてくれる
家庭教師(◎):完全に生徒のペースに合わせる
これは家庭教師の本来の目的です。
家庭教師は完全に1対1で指導が受けられますから、その生徒のペースにあわせて授業を進めてくれます。
得意な科目はペースを上げて、苦手な科目はペースを落として授業を進めることができます。
質問したい時にはすぐに質問もでるので、個別指導塾のように“順番待ち”の状態は基本的に起こりません。
よって評価は(◎)です。
家庭教師に依頼しても兄弟・姉妹など同時に2人以上の指導を依頼した場合は“順番待ち”の状態が起こります。
しかし兄弟・姉妹割引を設定している会社も多いので、個別指導塾よりも安くなる場合もあります。
兄弟・姉妹など同時に家庭教師を付けるか個別指導塾に通わせることを検討されている方は、割引などがあるか料金面にも注目です!
以下は割引を設けている家庭教師センターです。
個別指導塾(△):多少のタイムラグ(待ち時間)がある
家庭教師に比べて個別指導塾の場合、講師はその生徒だけでなく他の生徒も指導しなければいけません。
ということは生徒が指導を受けられる時間に制限があるわけです。
いくら生徒自身が「先に進みたいけど、この問題は内容が理解できない」などと手が止まっても、すぐには対応してもらえません。
つまり、指導が受けたい時に受けられない“順番待ち”の状態、タイムラグ(時間のずれ )が発生し、自分の思い通りのペースでは授業を進めることがなかなか難しいんです。
その代わり家庭教師に比べて料金が安いというわけです。よって評価は(△)です。
集団指導塾(×):集団のペース、あるいはカリキュラムに沿ったペース
集団指導塾は講師が一人で複数の生徒(集団)に同時に指導するスタイルなので、基本的に生徒一人ひとりのペースに合わせることはできません。
そのクラスの平均のペースで授業を進めていきます。よって評価は(×)です。
しかしその分、三者の中で最も料金が安いんですね。
No5. 授業中に前の項目に戻れる
家庭教師(◎):理解度によっては予定変更して前の項目に戻れる
その生徒の理解度によっては当日の予定を変更して、前の項目に戻って授業をすることは可能です。
そのための家庭教師です。
家庭教師は常にその生徒がどこでつまずき、何がわからないのかということを注意深く観察しています。
前に進むだけでなく、授業が進んでいく中でもし生徒が基礎の部分をまだ理解できていないとわかれば、基礎に戻って指導ます。
よって評価は(◎)です。
個別指導塾(○):家庭教師と同じく戻れる
個別指導塾も指導する時間が制限されているため、家庭教師ほど丁寧に前に戻ってして指導することはできませんが、前に戻ること自体は可能です。
ただし個別指導塾の講師は同じ時間帯に複数の生徒を指導するので、どうしても丁寧さに欠ける事があります。
生徒が前の項目に戻りたくても、講師が来るまではそれを伝えられません。
その点はずっとそばにいる家庭教師の方が有利です。
よって個別指導塾の評価は(○)です。
集団指導塾(×):前に戻ることはあまり期待できない
集団指導塾はクラス全体が前の部分を理解していない場合は前に戻って授業をしてくれる塾もありますが、基本的に期待しない方がいいです。
以前習った項目でわからない部分が出てきたら、集団指導塾の場合は空き時間などに講師に質問するか、自習で解決するしかありません。
よって評価は(×)です。
No6. 講師が選べる
家庭教師(◎):生徒と相性の合う講師を選べる
もちろん選べます。また個別指導塾よりも選べる講師の幅は広いです。
家庭教師の場合は、業者に登録していて、なおかつ生徒宅に通える範囲であれば家庭教師を紹介してくれます。
つまりその地域内に在住している家庭教師の中から選べるということです。
個別指導塾の場合は基本的にその塾に在籍している講師の中からではなく、自分が通うの教室(例えば新宿校・渋谷駅前校など)に在籍している講師の中からしか講師を選ぶことはできません。
選べる人数の幅的には家庭教師よりは圧倒的に少ないです。
よって家庭教師が三者の中で最も多くの講師の中から自分に合った講師を選べるので評価は(◎)です。
個別指導塾(△):講師を選べる場合もある
個別指導塾でも講師を選ぶことは可能です。
塾側で決められて選べない場合もあります。
よって評価は(△)です。
集団指導塾(×):講師は選べない
これはもう皆さんご存知の通りできませんよね。
塾側が用意した講師の授業を生徒側が選ぶ、これが集団指導塾のシステムです。
よって評価は(×)です。
No7. 生徒それぞれにあった宿題の量を決めてくれる
家庭教師(◎):宿題は自分に合った適量を出してもらえる
家庭教師は授業中その生徒だけをみていますから、生徒の理解度や問題を解くスピードなどは最も細かく把握することができるので宿題の量も適量を出してくれます。
よって評価は(◎)です。
それだけでなく、家庭教師は部活や習い事、学校行事など生徒のおかれた状況も考慮しながら宿題の量を調整してくれます。
例えば、
「この子なら次回までに5ページはできるな」
「今週は部活が忙しいみたいだからいつもより減らそう」
「今度の日曜は運動会だから、宿題はなしにしよう」
などといった感じです。
私もこういった感じで宿題の量を調整していました。
慣れてくると生徒自ら「今週は学校の宿題が多いから宿題はなしでお願いします」とか、「今週は時間に余裕があるから宿題はいつもより多めでお願いします」などと言ってくるようになります。
個別指導塾(△):家庭教師に比べあまり期待できない
個別指導塾も講師と1対1で指導が受けられるため、生徒の理解度や問題を解くスピードなどを把握することは可能です。
なのである程度であれば、講師が各生徒それぞれにあった宿題の量を考えることは可能です。
しかし、その把握の度合いは家庭教師には及びません。
例えば個別指導塾で1コマ(60分)に同時に3人の生徒を指導していれば、単純に3で割って一人約20分しか実際に指導を受けることはできませんよね。
これが家庭教師なら1コマ(60分)ずっと指導が受けられます。
つまり生徒の理解度や問題を解くスピードなどを家庭教師と同じくらい細かく把握することは困難ということになります。
ということは、個別指導塾の場合は出す宿題の量も中身もその生徒にマッチしていない場合が多少出てきます。
よって評価は(△)です。
また家庭教師のように生徒一人ひとりに対して指導時間が十分に確保されているわけではありませんので、部活や習い事、学校行事など各生徒のおかれた状況も考慮しながら宿題の量を調整することは難しいでしょう。
集団指導塾(×):宿題の量は個人に合わせることはできない
基本的に集団指導塾の場合、生徒一人ひとりに細かく宿題の量やレベルを提示することはできません。
そこまで細かい支援ができないからこそ低料金で一定レベルの授業が受けられるのです。
よって評価は(×)です。
No8. 生徒専用カリキュラムを組んでくれる
家庭教師(◎):生徒専用のカリキュラムが組める
家庭教師ならできます。
これこそが家庭教師を頼む最大のメリットともいえます。
家庭教師はその生徒の「目標」と「目標を達成する時期(期限)」、「現時点での学力」など総合的に判断し、生徒と親御さんと相談しながらカリキュラムを組んでいきます。
よって評価は(◎)です。
注意してほしいのは、必ずしも全ての家庭教師業者や担当の家庭教師がそれをやってくれるとは限りません。
悪徳業者は契約さえすませば、あとは家庭教師に丸投げということも平気でやってきます。
なので契約前にきちんとしたカリキュラムを組んでくれるかどうか確かめましょう!
しっかりカリキュラムを組んで指導してくれる家庭教師はこちらです。
以下の対象の方はスタディコーチがおすすめです。
- 中学受験を考えている小学生
- 大学受験を目指す中高生(高卒含む)
- 医学部受験を目指す中高生(高卒含む)
個別指導塾(◎):生徒専用のカリキュラムが組める
個別指導塾も基本的に個別での指導ですから、その生徒にあったカリキュラムで授業を進めていく塾も多いです。
その生徒の「目標」と「目標を達成する時期(期限)」、「現時点での学力」など総合的に判断し、生徒と親御さんと相談しながらカリキュラムを組んでいきます。
よって評価は(◎)です。
しかし個別指導塾も家庭教師と同じように、必ずしも全ての塾がきちんとカリキュラムを組んでくれるとは限りません。
契約さえすませば、あとは講師に丸投げという塾も残念ながら存在します。
契約前に生徒も親も「これなら大丈夫!」と納得できるきちんとしたカリキュラムを組んでくれるかどうか確かめましょう!
集団指導塾(×):塾側が用意したカリキュラムのみ
集団指導塾の場合、その授業システムからして生徒一人ひとりにあったカリキュラムを組むことはできません。
塾側が用意したカリキュラムを生徒側が選んで受講するしか方法はありません。
よって評価は(×)です。
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