※この記事は前回の「家庭教師・個別指導塾・集団指導塾の比較表」で掲載した授業以外のメリットに関する項目(No.16~22)の評価理由について解説したページです。
まだ比較表を見ていない方は是非そちらからお先にどうぞ。
No16. 授業日程が自分で組みやすい
家庭教師(◎):自分で授業の日程が組み易い
自分の都合で授業の日程が組めるのも家庭教師の大きなメリットの一つです。
部活や習い事などで忙しい生徒にも家庭教師なら可能な限り日程を合わせてくれます。
よって評価は(◎)です。
ただし、絶対に生徒の都合に合わせてくれるということではりません。
家庭教師の先生は他にも生徒を受け持っている場合が多いですし、人間ですから休みも確保しなければなりません。
家庭教師とはいえ、あくまでも合わせてくれ易いということです。
個別指導塾(○):
家庭教師ほどではありませんが、個別指導塾でも日程は組みやすいでしょう。
ただし塾が開いている時間帯でなければなりませんし、担当の講師が他の生徒とも日程を調整して、同じ時間帯に指導ができるよう日程を組むこともあるので、自由度ではやはり家庭教師の方が若干有利でしょう。
しかし集団指導塾のように時間が完全に固定されているわけではありませんから、よって評価は(○)です。
集団指導塾(×):塾側が授業日程を決める
集団指導塾はそのシステム上、日程を固定し、生徒が塾側にあわせることになっています。
よって評価は(×)です。
そのかわりこの三者の中では最も料金が安いわけです。
No17. 当日キャンセルがし易い
家庭教師(◎):当日キャンセルにも柔軟に対応
家庭教師なら基本的に当日キャンセルができます。
よって評価は(◎)です。
ただし、“どうしようもない理由”の場合に限ります。
例えば、
- 「今日はやる気ないから」
- 「今日は熱がある・・・」(といいながら遊んでいる=仮病)
- 「今日は親が家にいないから・・・」(何度もそういう状況が起これば契約解除になる可能性もある)
など家庭側の一方的なわがままで変更することはできません。
実際は家庭教師側は対応せざるを得ないのですが、こういった行為が続けば家庭教師側から契約解除されます。
- 「学校で居残りさせられててすぐには帰れない」
- 「熱があって・・・」(本当に熱がある)
など家庭側ではどうしようもない理由であれば家庭教師の先生も問題なく対応してくれます。
逆に家庭教師の先生から当日に日時を変更をお願いしてくる場合もあります。
特に学生の家庭教師はテストや学校の授業などで急遽指導できなくなる場合があります。
そこはお互い様という気持ちで対応すると良好な関係が保てます。
個別指導塾(△):当日キャンセルできる塾とできない塾がある
個別指導塾はそれぞれの塾との契約内容や担当講師のスケジュール次第で変更できるかどうかが決まります。
当日の変更は認めない塾もあれば認めている塾もあります。
当日変更が可能な塾でも「月に1回まで」など契約内容は塾によって様々です。
よって評価は(△)です。
休んだ分を振替にしてくれるのか、それとも消化扱い(料金は取られる)になるのか、契約の前にきちんと確認してください。
集団指導塾(×):当日キャンセルはできない
集団指導塾の場合は当日でもそれより前でも、日時の変更をお願いすることはできません。
休む場合は欠席扱いが基本です。
もちろん料金が戻ってくることも基本的にありません。
集団指導なので家庭側が塾側に合わせなければいけません。
よってこの項目の評価は(×)です。
No18. 前もった日時の変更がし易い
家庭教師(◎):日程変更には柔軟に対応してもらえる
家庭教師の場合、前もって連絡すればその分当日よりも変更はし易すくなります。
よって評価は(◎)です。
人気がある家庭教師の場合は空いてる日があまりないので、日時の変更をするなら変更することが決まった時点ですぐに連絡することをお勧めします。
もちろん、家庭側のわがままな理由(気分がのらない、遊びたい、仮病、出掛けるなど)での変更は認められません。
最悪の場合、家庭教師側から契約を解除されることもありえます。
個別指導塾(△):当日よりは日程調整してもらい易い
個別指導塾は前もって日時の変更をお願いしたとしても、それぞれの塾との契約内容や担当講師のスケジュールの状況によって、変更できるか否かが決まります。
当日の変更は認めないが前日までに連絡すれば変更可能な塾もありますし、変更できたとしても「変更は月に2回まで」など契約内容はそれぞれの個別指導塾によって様々です。
よって評価は(△)です。
集団指導塾(×):基本休んだら欠席扱い=料金は戻ってこない
集団指導塾の場合は当日でも前日でも何日前でも、基本的に日時の変更をお願いすることはできません。
当日キャンセルと同様に、休む場合は欠席扱いが基本です。料金が戻ってくることも基本的にないでしょう。
合わせるのはあくまでもご家庭側です。
よってこの項目の評価は(×)です。
No19.授業時間の延長がし易い
家庭教師(◎):時間があれば授業を延長してもらえる
家庭教師の場合、時間の延長はし易いです。
よってこの項目の評価は(◎)です。
ただし延長する場合は担当の先生の時間が空いていればの話です。
先生の時間が空いていない場合はもちろん延長はできません。
ちなみに、外せない急用が入ったなどの理由でいつもより授業時間を短縮することも可能です。
この場合は、短縮した時間分を次回以降に振替える形で消化することになるでしょう。
例:本来120分(2コマ)を用事で60分(1コマ)に当日急遽変更
このように時間に融通かきくのも家庭教師のメリットの一つです。
【※注意事項】
短縮した時間分の振り替えをしなかったり料金は払わないとなると契約違反に当たる場合もあります。
くれぐれも契約内容はきちんと確認しておきましょう。
また延長に関しても「15分くらいいいじゃない!タダでやってよ!」と言ってくる親御さんがたまにいますが、1~2回ならともかく、毎回延長が当たり前になり積もり積もって月に数時間・・・となるケースもあります。
そうやって言ってくるご家庭は15分、20分、30分と時間を延ばし、何時間分もタダで指導してもらおうとする場合があります。
【実話】
ちなみに私も支払いを拒まれた経験があります。
月謝の精算日に生徒と親がぐるになって「この日は延長していない」と言い張り、支払いを拒まれました。
私の場合は延長する時点で、生徒だけでなく親御さんにもを確認し、念のため生徒や親御さんの目の前で手帳の当日欄に「A君、○○分延長」と記入するので間違えることはまずありません。
そのご家庭は以前から明らかに料金をどうにか低く抑えようという行為や言動があったので、拒まれた時は「そこまでやるか!」とは内心思いましたが・・・。
家庭教師も人間ですので生活がかかっています。
理不尽な言動や行為はくれぐれもやらないようにしましょう。あまりにも酷いと契約を解除されます。
個別指導塾(○):延長できる塾も多い
個別指導塾の場合は時間の延長をしてくれる塾も多いです。
もちろん担当の講師のスケジュールにもよります。
また教室が混んで席を空けなければいけない時は延長してもらえないかもしれません。
よって評価は(○)です。
料金面も含め詳細内容はそれぞれの個別指導塾によって異なるので、契約の前にきちんと確認しておきましょう。
集団指導塾(×):延長はできない
集団指導塾は当然ながら授業の延長はできません。
集団指導なので個人の都合に合わせることはできません。
よって評価は(×)です。
授業の後に残って、講師に質問したり自習することは認めている塾も多いです。
No20. 講師が日頃から親の教育相談にものってくれる
これは実際に指導に当たっている講師が相談に載ってくれるかという比較です。
家庭教師センターや塾のサポート担当者が相談に乗ってくれるかという比較ではありません。
家庭教師センターも個別指導塾も集団指導塾も受験情報や過去の生徒の情報を豊富に持っているので、それらを使いながら親御さんの教育相談には基本的に乗ってくれます。
しかし、実際に生徒に指導している家庭教師による親御さんへの教育相談対応はかなり重要だと私は経験上捉えています。
家庭教師(○):講師次第で親御さんの教育相談にも乗ってくれる
デキル家庭教師や親身な家庭教師なら親御さんの相談にものってくれます。
何度も交代させられている家庭教師や不真面目な家庭教師を選んでしまうと、相談にはのってくれないでしょう。
なので担当の家庭教師次第で評価は(◎)にもなるし(×)にもなるということです。
よって評価は中間の(○)です。
ちなみに私は毎回授業が終わって時間があれば15~30分、時間がない時は3~5分くらい親御さんと何らかの会話を交わして帰るようにしていました。
その中で色々な相談も受けましたし、相談がない日でも今日はどこまで進んだのか、学力がどの程度まで伸びているのか、今後の方針はどうするかなど様々なお話しをしていました。
そうすることで生徒と家庭教師だけでなく、親御さんも教育の輪に入ることができるので、よくありがちな「勉強に関しては親はかやの外」という状態を防ぐことができました。
親が教育に関わることは生徒にとっても心強いのが本音ですし、親としても不安解消に繋がります。
これが良いチームになっていき、受験や成績UPなどの目標達成にも良い影響を及ぼします。
個別指導塾(×):忙しいので無理
個別指導塾では講師が親の相談にのる事はほぼ無理です。
塾によっては三者面談などを1回や2回設けてくれる塾もありますが、個別指導塾にできるのはせいぜいそれくらいです。
よって評価は(×)です。
集団指導塾(×):忙しいので無理
こちらも個別指導塾とほぼ変わりませんね。
塾によっては三者面談などを1回や2回設けてくれる塾もありますが、塾にできるのはせいぜいそれくらいです。
その分、料金が安いわけです。
よって評価は(×)です。
No21. ライバルと競いながら勉強できる
家庭教師(×):ライバルとは競えない
家庭教師は基本的に生徒宅での指導となるので授業中にライバルと競い合いながら勉強することはできません。
よって評価は(×)です。
個別指導塾(×):基本的に1対1なので競えない
個別指導塾も教室での指導ですが、基本的に1対1での指導となるので授業中にライバルと競い合いながら勉強することはできません。
よって評価は(×)です。
集団指導塾(◎):集団指導なのでライバルと競える
集団指導塾はその名の通り集団で授業を受けるので、嫌でも競争の中に入らなければなりません。
よって評価は(◎)です。
もしこの競争を避けてしまえば、授業中に質問ができなくなり、授業中でも孤立し、最悪の場合授業についていけなくって学力の向上は望めないかもしれません。
No22. 受験や進路情報、対策問題など様々な情報が豊富
家庭教師(△):受験や進路情報に弱い傾向にある
家庭教師業者によっては受験情報や進路情報が充実している業者がまだ多いとはいえません。
生徒の合格実績を細かく把握し、管理しているところも多くはないでしょう。
つまり家庭教師に丸投げという会社がまだまだ多いということです。
派遣するまでがセンターの役割であとは家庭教師任せ、という会社が多いということです。
これではノウハウの蓄積や向上は難しいと言わざるを得ません。
よって評価は(△)です。
【※注意】
営業マンや事務の担当者が「うちも受験情報や進路情報は充実してます!」と言ってくることがありますが、鵜呑みにしてはいけません。
契約を取るための単なる営業トークということも多いです。
実際は書店に置いてある本や受験校のHPなどから得られる簡単な情報だけを集め、それらを単にコピーして薄っぺらい資料にし渡してくる業者も多いです。
もしあなたが情報面も重視しているなら、契約前に実際の情報や資料をみせてもらうのが一番確実です。
個別指導塾(○):ある程度は情報提供が期待できる
家庭教師業者よりは期待できると思います。
特に受験に強い個別指導塾や本物のプロ講師が多く在籍している個別指導塾ならばこれらの情報も充実していることが多いです。
よって評価は(○)です。
個別指導塾の場合は塾に通うことが前提なため、家庭教師よりは情報収集が容易です。そのため受験生の合格率の把握に努めている塾は多いでしょう。
この合格実績がその塾の“うり”になるわけですから、把握しないわけにはいきませんよね。
【良い塾の見分け方】
提供される情報で良い塾とそうでない塾の見分けることができます。
ただ単純に情報を集めるだけのなのか。
それともどういったレベルの生徒がどの講師のどの様な指導方法で、どの様なカリキュラムで、どの様な勉強方法で合格していったか、あるいは不合格だったかを細かく分析している塾なのか。
もちろん後者の方が良い個別指導塾であることは言うまでもありません。
そういった細かい点にまできちんと取り組んでいる場合は、受験や学校の試験の対策問題の研究にも力を入れていることが期待できます。
【※注意】
上の家庭教師の項目でも書きましたが、個別指導塾でも同じことが言えます。
営業マンや事務の担当者が「うちも受験情報や進路情報は充実してます!」と言うことがありますが、鵜呑みにしてはいけません。
契約を取るための単なる営業トークということも多いです。
実際は書店に置いてある本や受験校のHPなどから得られる簡単な情報だけを集め、それらを単にコピーして薄っぺらい資料にし渡してくる業者も多いです。
情報面も重視しているなら、契約前に実際の情報や資料をみせてもらうのが一番確実です。
集団指導塾(◎):情報提供が大きなメリット
集団指導塾は比較的に情報が揃っている塾が多いです。
本やネットから誰でも調べられる情報だけでなく、実際に進学していった元塾生から受験情報や進路情報を提供してもらったりして、独自の情報を所有している塾も多いです。
よって評価は(◎)です。
そもそも集団指導塾はそこが“ウリ”という面もあるので当然といえば当然かなとも思います。
生徒数が多いため勉強に関しては個別の指導が十分にはできないかわりに、多くの生徒のデータを収集・分析し、統計データとして提供しているのです。
これは家庭教師や個別指導塾には真似できないシステムかもしれません。
家庭教師や個別指導塾もやろうと思えばできますが、相当のコストがかかるため、質も高いが値段も高い家庭教師や個別指導塾しかできないでしょう。
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