塾と家庭教師を併用する際に気をつけるべき事とは?

塾での成績が下がった、もしくは思うように上がらない時に、塾と併用して家庭教師を頼まれるご家庭は少なくありません。

特に中学受験の場合、集団塾と家庭教師を併用することはもはや当たり前になりつつあります。

しかし、実はただ塾と家庭教師を併用するだけでは効果がないことがほとんどです。お金と時間を浪費しただけ、という結果になりかねません。

今回は、塾と家庭教師を併用する前に、知っておかなくてはいけないポイントを解説します。

塾と家庭教師の併用で成果を出すコツは「目的をもつ」こと!

第1のポイントは、「家庭教師を頼む目的」を明確にすることです。

よくあるのが、焦りや不安からとにかく家庭教師をつけて安心してしまうことですが、それではうまくいきません。何を改善したいのかをよく考えてから依頼することで、最大限に家庭教師を活用できます。

また、当然ですが、この目的は家庭教師本人と共有しなくては意味がありません。

「その目的」に本当に家庭教師が必要かどうか、が重要

第2のポイントは、その目的を達成するために、本当に塾と家庭教師を併用する必要があるのかどうか、を考えることです。

家庭教師が本当に必要かどうかは、「他にもっと効果的な解決法はないか」という点に注目すると分かりやすくなります。

以下で、塾と家庭教師の併用で依頼されがちなケースのうち、併用はおすすめできないものと、塾と家庭教師を併用した方が良いものをご紹介します。

家庭教師を頼まない方がいいケース

「塾の宿題をやらせてほしい」という目的は☓

塾と家庭教師の併用でよくあるのが「塾の宿題のフォロー」です。

宿題のフォローと言っても色々ですが、単に「宿題を解かせてほしい」というのであれば、家庭教師は塾と併用しない方が賢明です。

この場合は家庭学習の習慣がついていないということであり、塾にプラスで家庭教師を頼んでも根本的な解決に繋がりにくいからです。

要は宿題をする見張り役のために家庭教師を頼むのか、という話です。

おそらく、そういった子は家庭教師がいない時は宿題も家庭学習もしないでしょう。宿題量の増加に伴って、ただ家庭教師を頼む時間だけが伸びていってしまいます。

そうなると根本的な解決にはならないので、宿題の見張り役として家庭教師を雇うのは、元塾講師・家庭教師の私の立場からはおすすめできません。

そういった子は、もっと根本的な事に目を向けるべきでしょう。

宿題をさせるために家庭教師を雇うのなら、そもそもその子にとって、その塾は合っているのか?塾に向いている性格なのか?ということです。

まずはそこから考え直さないといけないかもしれません。

「塾の上位クラスに行きたい、今のクラスを維持したい」という目的は☓

家庭教師を併用することで、塾のクラスを上げたい、今のクラスを維持したいという依頼もよくありますが、そもそも「本当にその塾に通い続けるべきか」を考えてからにしましょう。

思い出して下さい。

塾に通いはじめた当初の目的は受験合格、成績UP、学力の向上といった事ではなかったですか?

それがいつの間にか「塾のクラスUP・維持」という見栄のようなものに置き換わっていませんか?

冷静に考えてみて下さい。

塾の組分けテストでいい点を取れないというのは、授業をよく理解できていなかったり、学んだ内容が定着できていない結果です。

つまりそれは、その塾やクラスがお子さんに合っていない、という可能性があります。

なので安易に家庭教師を頼む前に、一度、今の塾や塾に通うこと自体がお子さんに適しているのか検討することをおすすめします。

もちろん、これらを考えた上で「この塾(このクラス)で頑張りたい。それには家庭教師のフォローが必要」というのであれば、家庭教師は大いに力になります。

家庭教師を頼んだ方が効果的なケース

「志望校対策をしてほしい」という目的は○

集団塾では一部の人気校や超難関校以外、その学校だけの対策授業は行われないことがほとんどです。

また、行われたとしても、生徒一人ひとりの課題を見つけてくれるわけではありません。これが集団塾のシステムというか、限界です。その分、家庭教師より費用が安いわけです。

受験という時間が限られた子にとって、理解している問題を長々と解説されるのは非効率的です。

その点、家庭教師であれば、その子の志望校に対して足りない部分だけを的確に補えます。

「得意教科は塾で、苦手教科は家庭教師に」という目的は◎

集団授業の進度についていける得意科目は塾に、基礎からじっくり考えたい苦手科目は家庭教師に教わる、というのはとても良い併用方法です。

家庭教師であれば、オーダーメイドでカリキュラムを組めるので、分からなくなった部分までさかのぼって授業をしたり、苦手な部分を集中的に教わる、といったことが自由にできます。

苦手科目だからこそ、自分に合った、「効率の良い勉強方法」を知ることが大切ですが、家庭教師であればそれが叶えられます。

家庭教師派遣会社の選び方も重要

塾と併用を考える際は、家庭教師派遣会社の選び方にも慎重になる必要があります。特に学生バイトなどの経験の浅い家庭教師だと、塾のカリキュラムをよく知らない場合があるからです。

なので派遣会社の選び方としてはまず、ホームページで塾別の対策コースやポイントなどを載せているところを選ぶのが効率的です。

もしそういったコースが見当たらなければ、「〇〇塾出身か、現在その塾と掛け持ちで働いている家庭教師の先生はいますか?」と聞いてみるといいでしょう。

聞いたからといって必ずしもその先生本人が来てくれるとは限りませんが、マトモな家庭教師派遣会社であれば講師の情報は把握しているので、担当講師を選考する際の目安にはなります。

塾と家庭教師を効率よく併用しよう!

今回は、塾と家庭教師を併用する際のポイントについて解説しました。

ポイント1:目的を明確にする

ポイント2:その目的に本当に家庭教師が必要かどうか、を考える

ポイント3:塾別対策コースのある家庭教師派遣会社にする

言うまでもなく、塾と家庭教師を併用するには、その分多くの費用がかかります。

「お金はかかったけれど、家庭教師も頼んだ意味はあった」と思えるよう、家庭教師を依頼する前にしっかり目的を明確にし、賢い選択をしましょう。

この記事を書いた人

【元個別指導塾講師(4年)・元家庭教師(2年)】
個別指導塾講師として小学校低学年~中学受験、大学受験(歯学部受験を含む)を指導。家庭教師としては中高生の内申点対策を中心に受け持つ。現在は教育や子供関連を中心としたライターとして活躍中。

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